ラバナストロン説

ラバナストロン
弦を擦って音を出す楽器はセイロンのラバナという王様が作ったのが最初なのだよ、という説。
セイロンは今のスリランカでインドの南にある大きな島。4000年か5000年かしらの遠い遠い昔、そこで出来上がったのがラバナストロン。それが世界最初の弓奏楽器だよというわけ。

その楽器は、丸い筒に動物の皮をはりつけて、筒には棹を差しこんである。2本の弦を弓でこすりつけて楽曲を奏でる。これはフランスの旅人が綴った『東インドとシナの旅』に記されたことで、ヨーロッパでは有名になったというこどだ。
とはいえ、ラバナ王が本当に実在した人物なのかとか、紹介されている楽器がいい加減だったりで、真実のところは分からないらしい。
現在、ラバナストロンというと、中国の「京胡」とか「二胡」とか、そんな形をしていて・・・・いや、京胡とか二胡とかズバリそのままの形をしているものが紹介されてる。これは、たしかにすこぶる怪しい。

以上のごとく、正と異論さまざまなので、セイ・イロンが短縮されてセイロンとなったという説は、それなりの根拠があって信用できる。

弦鳴楽器(弦楽器)
撥弦楽器(はつげんがっき)
リュート属
チター属
ハープ属
擦弦楽器(さつげんがっき)
弓奏楽器(きゅうそうがっき)
リュート属
チター属
打弦楽器(だげんがっき)
弦を振るわせて音を出す楽器が弦鳴楽器(弦楽器)である。弦を振動させるために、弦にエネルギーを与える方法はいろいろあるのだけれど、まず、3つに分けることにしましょう。
(1) 弦をビンビンと弾く(はじく)方法。撥弦楽器。
(2) 弦をギーギーと擦る(こする)方法。擦弦楽器。
(3) 弦をポンポンと叩く(たたく)方法。打弦楽器。
で、ここで紹介しているのは弓奏楽器。「ゆみでかなでるがっき」ということであって、そのままの表現。それって、弦をこするのだから「擦弦楽器」じゃないですかいな。
そうです。その通り。
じゃあ、なぜわざわざ「弓奏楽器」とかいうのかというと、擦弦楽器でも弓を使わない楽器がある。
例えばハーディーガーディーなんかはそうだね。 ハーディガーディ
ハーディガーディは弦を擦って音を出すのだけれども弓を使わない。円盤をクルクル回して弦をこする。つまり擦弦楽器だけれども弓奏楽器ではない、というわけ。