2017年6月28日水曜日

ネパールのサーランギ

サーランギを演奏する人
ネパールのサーランギ
インドのサーランギは比較的よく知られているが、これはネパールのサーランギ。
一本の木材から削り出しており、園芸などに使うスコップのような形にしてある。共鳴させる箱部分の表面は開いた状態になっており、表面3分の1くらいに皮が張ってある。その皮にブリッジが添えられ、弦の振動を伝えている。

 右手にもった弓で弦をこすって音を出すのはバイオリンやチェロなどと同じ。ただし、弦長を変える(音程を変える)左手(指)の操作は西洋の楽器とはちょっと違う。左手は弦に爪を押し当てる。弦の横から押し当てるわけだ。ちょっとち違うというよりだいぶ違うかな。
指の背中で抑え込むもんだから爪の生え際(甘皮)のところにタコ(?)ができるとか。
弦長を変える この痛そうな方法は、サーランギに限った特別な演奏方法ではなく、インドも含めアジアの西部南部では割と多くの弓奏楽器で用いられている。
ネパールのサーランギ


弦鳴楽器(弦楽器)
撥弦楽器(はつげんがっき)
リュート属
チター属
ハープ属
擦弦楽器(さつげんがっき)
弓奏楽器(きゅうそうがっき)
リュート属
チター属
打弦楽器(だげんがっき)
弦を振るわせて音を出す楽器が弦鳴楽器(弦楽器)である。弦を振動させるために、弦にエネルギーを与える方法はいろいろあるのだけれど、まず、3つに分けることにしましょう。
(1) 弦をビンビンと弾く(はじく)方法。撥弦楽器。
(2) 弦をギーギーと擦る(こする)方法。擦弦楽器。
(3) 弦をポンポンと叩く(たたく)方法。打弦楽器。
で、ここで紹介しているのは弓奏楽器。「ゆみでかなでるがっき」ということであって、そのままの表現。それって、弦をこするのだから「擦弦楽器」じゃないですかいな。
そうです。その通り。
じゃあ、なぜわざわざ「弓奏楽器」とかいうのかというと、擦弦楽器でも弓を使わない楽器がある。
例えばハーディーガーディーなんかはそうだね。 ハーディガーディ
ハーディガーディは弦を擦って音を出すのだけれども弓を使わない。円盤をクルクル回して弦をこする。つまり擦弦楽器だけれども弓奏楽器ではない、というわけ。