2016年7月14日木曜日

脚に挟んで演奏する弓奏楽器

世界中に弓奏楽器はいっぱいある。
弓奏楽器はアジアでもアフリカでも楽器は立てて演奏するものがほとんど。ヨーロッパには腕で支えたり顎に挟むものもあるが、世界的に見ると特殊な構え方だ。「膝に載せる」か「脚に挟む」かのいずれかが標準だろう。高音で小さめの楽器は膝に立てて載せる。低音の楽器は図体が大きくなるので脚に挟んで縦に構える。

ここでは比較的低音で脚に挟む弓奏楽器を紹介することにしよう。現在においてはチェロがその代表的なものだが、古い時代や、また地域によっていろんなのがある。

アルペジョーネ (arpeggione)
アルぺジョーネ arpeggione
アルぺジョーネ arpeggione
アルペジョーネは、1800年代の始めごろオーストリアのギター製作者によって作られた。ギター製作者だけあって 弦は6本でフレットが備わっている。ギターチェロと呼ばれることもあったという。

ビオラ・ディ・ボルドーネ (viola di bordone)
バリトン baryton (ビオラ ディ ボルドーネ viola di bardone)
バリトン baryton (viola di bardone)
ビオラ・ディ・ボルドーネは、1900年ごろまで、ドイツやオーストリアなどで使われていた。
表には6本のメロディ。裏側にはハープのように弦が張られており親指ではじく。弓奏楽器と撥弦楽器が組み込まれていて、左手は大忙し。英語ではバリトン(Baryton)


 リラ・ダ・ガンバ (Lira da gamba)
リローネ lirone
リローネ lirone (lira da gamba)
 リラ・ダ・ガンバ。1900年ごろまで使われていた弓奏楽器で、「脚で支えるリラ」という名が付いている。
ヘッド(糸倉)に直角に差し込むようにペグ(糸巻)が取り付けられている弦楽器を「リラ」と呼ばれていて、いろんな大きさのリラがあった。この大きさなら Gamba(脚)で支えるというわけだ。リローネ(Lirone)とも。

ビオラ・ダ・ガンバ (viola da gamba)
ヴィオラ・ダ・ガンバ viola da gamba
ヴィオラ・ダ・ガンバ viola da gamba
 ビオラ・ダ・ガンバも Gamba で支えるという意味の名がついている。脚で支えるビオラである。

チェロ (cello)
チェロ cello
チェロ cello
 現在でも使われている弓奏楽器。「ビオロン・チェロ」が略されてチェロと呼ぶようになった。

革胡 (ゲフ)
中国のゲフ 革胡
ゲフ 革胡
革胡は、中国の弓奏楽器。
中国の伝統的な楽器である二胡のデザインを残したまま中国版チェロに仕立てた。

チャガネ (chagane)
チャガネ chagane
チャガネ chagane
チャガネは、アゼルバイジャンの楽器。
西アジアにはボディの底が丸くなった弦楽器が多いが、この楽器も底が丸く(ラウンドバック)になっている。

チュニリ (chuniri)
チュニリ chuniri
チュニリ chuniri
チュニリは、グルジアの楽器。
長方形の板をグルッと丸めて円筒にして、その表面に皮を張ってある。メロディを弾くより、3本弦でコードを奏でることが多い。


マセンコ (masenko)
マセンコ masenko
マセンコ masenko
マセンコは、エチオピアの楽器。
四角いボディに皮を張ってある。生活を歌い綴る吟遊詩人が伴奏として使う。
弦鳴楽器(弦楽器)
撥弦楽器(はつげんがっき)
リュート属
チター属
ハープ属
擦弦楽器(さつげんがっき)
弓奏楽器(きゅうそうがっき)
リュート属
チター属
打弦楽器(だげんがっき)
弦を振るわせて音を出す楽器が弦鳴楽器(弦楽器)である。弦を振動させるために、弦にエネルギーを与える方法はいろいろあるのだけれど、まず、3つに分けることにしましょう。
(1) 弦をビンビンと弾く(はじく)方法。撥弦楽器。
(2) 弦をギーギーと擦る(こする)方法。擦弦楽器。
(3) 弦をポンポンと叩く(たたく)方法。打弦楽器。
で、ここで紹介しているのは弓奏楽器。「ゆみでかなでるがっき」ということであって、そのままの表現。それって、弦をこするのだから「擦弦楽器」じゃないですかいな。
そうです。その通り。
じゃあ、なぜわざわざ「弓奏楽器」とかいうのかというと、擦弦楽器でも弓を使わない楽器がある。
例えばハーディーガーディーなんかはそうだね。 ハーディガーディ
ハーディガーディは弦を擦って音を出すのだけれども弓を使わない。円盤をクルクル回して弦をこする。つまり擦弦楽器だけれども弓奏楽器ではない、というわけ。